Identification of the brain networks that contribute to the interaction between physical function and working memory

PAPER Column

身体機能とワーキングメモリーの関係に関わる脳神経ネットワークの同定

1,000名超の健常成人を対象とした機能的磁気共鳴画像法を用いた検討

Toru Ishihara, Atsushi Miyazaki, Hiroki Tanaka, & Tetsuya Matsuda

NeuroImage(DOI: 10.1016/j.neuroimage.2020.117152)

みなさまお疲れ様です。

今回は認知機能と身体機能(有酸素性の持久力、歩行速度、手指の巧緻性、筋力)の関係性をより明確にした論文を紹介いたします。

元ネタ論文はこちらから

【玉川大学脳科学研究所 研究成果】「身体機能の高い人が、認知機能を高めている」脳の働きを解明 科学雑誌
【玉川大学脳科学研究所 研究成果】「身体機能の高い人が、認知機能を高めている」脳の働きを解明 科学雑誌

結果

有酸素性の持久力および手指の巧緻性が優れている人は、短期記憶に関する認知機能であるワーキングメモリーの成績も高い水準である。

持久力が高ければ、ワーキングメモリーを働かせているときに前頭-頭頂ネットワークの活動を高める。

手指の巧緻性が高いと、デフォルトモードネットワークの活動を低下させる。これにより前頭-頭頂ネットワークの活動が上昇する。

Point1

ワーキングメモリー

情報を短期的に保持・更新し、その情報を適切に使用する認知機能。

Point2

前頭―頭頂ネットワーク

目標を達成するために合目的的に行動や思考を調整、統合する脳の高次機能を担うネットワークとされる。ワーキングメモリーや計画、抑制、注意の配分などの認知機能と関わる。

Point3

デフォルトモードネットワーク

脳は、思考や運動を行なっていない安静状態においても、いくつかの領域が同期して活動している。このネットワークはデフォルトモードネットワークと呼ばれ、記憶や自己認識などの様々な認知機能と関わる。

ワーキングメモリーを要する課題中には活動が低下し、前頭―頭頂ネットワークの活動と負の相関を示すことが知られている。

私的解釈

みなさんよく運動をすると認知機能にもいいですよーって言っちゃうことありませんか?

この件については様々な論文でも肯定的に言われているそうです。

今回調べた身体機能の中でも持久力・手指の巧緻性の高い人が前頭ー頭頂ネットワークを高められるということは、デイサービス・デイケアなどの介護分野で働く方には実に意義深いものになるのではないでしょうか。

個別以外の場面で上記の身体機能を鍛えるプログラムの立案を介護スタッフとともに検討していくとよりよいアウトカムが得られる可能性があります。

運動することで認知機能を高めるという発想から一歩踏み込んで、持久力と手指の巧緻性を鍛えることでワーキングメモリーネットワークを高めることができると言ことを考えながら高齢者クライアントと向き合うのも一つ重要ではないかと思います。

今回も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。

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