脳卒中後の早期リハビリテーション:ナラティブレビュー④

Early Rehabilitation After Stroke: a Narrative Review

Elisheva R. Coleman, Rohitha Moudgal, Kathryn Lang, Hyacinth I. Hyacinth, Oluwole O. Awosika, Brett M. Kissela, and Wuwei Feng






みなさんお疲れ様です。

久しぶりになってしまいましたが、続編を書いていきます。

今回は下肢・歩行と上肢についてです。

理学療法的アプローチ 下肢機能と歩行

急性期脳卒中患者における体重支持バランス療法(WSBT)の有効性が調査され、治療は脳卒中後平均13日目に開始されました。

患者はWSBTと標準的な理学療法、または標準的な理学療法のみに無作為に割り付けられ、主要アウトカムは

①Fugl-Meyer Balance(FM-B)②Functional Independence Measure Gait(FIM-G)③Fugl-Meyer Lower Extremity(FM-LE)の介入前後の変化でした。

いずれのアウトカム指標においても、両群間に有意差は認められませんでした。

最近の多施設共同研究では、一般的に使用されている2つの異なる理学療法プログラムのタイミングの役割が検討されました(PNFと認知運動療法【CTE】)

この研究では、脳卒中発症後24時間以内に発症した340人の被験者が、早期PNF、遅発性PNF、早期CTE、遅発性CTEの4つの治療群のいずれかに無作為に割り付けられました。

早期群は入院後24時間以内(すなわち、発症から48時間以内)に治療を開始し、遅発群は脳卒中発症から4日後に治療を開始しました。

全群で60分間の治療が行われ、ベッド内での活動とOOB活動を組み合わせました。

主要アウトカム指標はmRSとBIで、3ヶ月時点では群間に有意差は認められませんでした。

12ヵ月目には、BIのみで初期群に有利な差が認められました(初期PNFとCTEはそれぞれ89±2と86±7、遅発性PNFとCTEはそれぞれ71±9と73±5、p=0.02)

しかし、2つのプログラム間では差は認められませんでした。

この研究ではほとんどの被験者が脳卒中発症から24時間以上(ただし48時間未満)治療を開始おり、活動強度の代理となるOOB活動量はこの研究では記録されていないため、最初の動員までの時間とOOB時間の量の両方の違いが、AVERTとの乖離の要因となっていることが考えられます。






上肢

早期上肢リハビリテーションの最近の3つの試験を見つけました。

多施設共同EXPLICIT-脳卒中試験では、虚血性脳卒中後平均8日後に合計159人の被験者を募集し、2つの異なる介入を検討しました。

予後が良好な患者(指の随意伸展が10°と定義された)に対しては、CI療法を3週間毎日実施することがstandard care (SC)と比較されました。

任意指伸展のない患者(n = 101)を対象とした大規模な第2の試験では、指伸筋の筋電図誘発神経筋刺激(EMG-NMS)がSCと比較されました。

両試験では、脳卒中から5週間後のアクション・リサーチ・アーム・テスト(ARAT)を主要転帰尺度として使用し、8、12、および26週目に追加の尺度を用いました。

この試験のCI療法は陽性であり、脳卒中後5週目のARATでは臨床的に意味のある6ポイントの差が治療群に有利でした。

統計的に有意な差は12週目まで持続したが、26週目には対照群で改善が遅れて出現し、有意性は消失しました。

EMG-NMS試験では、標準治療と比較して介入の有益性は認められませんでした。

Yuらによる小規模な試験(n = 29)では、脳卒中の2週間以内に開始したCI療法をSCと比較しています。

主要アウトカム指標はWolf Motor Function TestのスコアとMotor Activity Logの面接を使用しています。

CI療法は介入後に有利な効果が認められたが、3ヵ月後にはその効果は持続していませんでした。

他の試験では、上肢の集中的な運動再訓練が神経可塑性に及ぼす影響を調査したています。

研究者らは、脳虚血性脳卒中の1週間以内に開始された上肢の集中的なタスク特異的運動訓練を、3週間に渡って30時間の追加治療であるSCと比較しています。

この研究の主要アウトカムは3ヵ月後のfMRIによるタスク関連脳活性化の変化であり、副次的アウトカムは上肢運動評価尺度の改善でした。

介入群では同胞体前帯状体と補助運動野の活性化が認められたが,3ヵ月後の機能改善は両群間で差はありませんでした。

この研究は神経可塑性に関する興味深い情報を提供しているが、脳卒中初期の上肢のリハビリテーションにおける強度の増加が臨床的に有益であることを支持する証拠を提供していません。

強度を考慮する場合、2009年に行われた先行研究(VECTORS)では、脳卒中後14日未満の患者では、CI療法を1日3時間投与した場合、1日1~2時間投与した場合と比較して、ARAT によって測定される運動転帰が悪化することが明らかになったことに留意する必要があります。

EXPLICIT試験とは対照的に、VECTORS試験では、低用量CI療法は標準治療と同等ではあるが、優れているわけではないことが明らかになりました。

しかしながら、サンプルが少なかったために、統計的に有意な所見が得られなかった可能性があります。

これらの試験をまとめると、脳卒中回復の初期段階でのCI療法は有益である可能性があるという説得力のある予備的証拠が得られました。

この有益性を確認するためには、より大規模な多施設共同試験が必要です。

私的見解

下肢においては開始時期は早いほう(24~48時間以内)が良いとしていますが、PNFとCTEにおいて差はなかったとしています。

脳卒中急性期ではいかに活動を開始してOBBを作り出すことがやはり重要になるのでしょうか。

上肢についてはCI療法の早期効果は良い傾向でありますが、あまりにも早くやりすぎるのはよくないということになるでしょうか。

ナラティブレビューのためなんとも言えませんが。。。

脳卒中急性期ではクライアント様の状態に合わせて行うことが多いと思います。

早期治療は離床機会を増やすことがまずは大切で、治療法は何かやれば同等の効果になりやすいということです。

ただあくまで急性期の話しなので回復期や生活期の方を対象としたときには違った要素が出てくると思います。

まだまだ何療法がいいかなどはスタンダードに決定してないのが現状ですが、我々の目の前にはクライアント様が次々とやってきます。

正解がない領域なのかもしれませんが、一生懸命考えて勉強して、治療していけば一定の法則性やスタンダードへと導く発見ができるかもしれません。

私自身まだまだ未熟者ですのでこれからも臨床に励んでいきたいと思います。

次回でこのレビューに対する投稿を最後にしようと思います。

次回は道具を使った介入についてです。お楽しみに!!!

本日も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。






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