片麻痺患者様の一歩目の違い

PAPER Column

 片麻痺患者が非麻痺側から歩き始めた場合と麻痺側から歩き始めた場合の動的バランスの違い

─動的バランス指標Xcomを用いた分析─

 長田 悠路   渕 雅子

みなさん日々の業務・勉強お疲れ様です。

今回は日本語の論文をご紹介したいと思います。

前回のコラムでXcoMについて書かせていただきましたが、今回はこのXcoMを使用したレポートになります。

はじめに

みなさんは片麻痺の患者様の歩き出しについて考えたことがありますか?

よく臨床で耳にすることは、麻痺側を1歩目とする方が多いという話ではないでしょうか。

このことについて動的バランス評価を用いて書かれている論文です。

結果・結論

XcoMとBOS最外側面の距離を、Mos:margin of stabilityといいます。数値が高いほどXcoMとBOS最外側面との間に距離があるため安定していると言えます。第1相(COPが1歩目に先行肢へ最大に移動した時点から1歩目の足が離れた時点まで)では非麻痺側先行肢のほうが左右への安定性はあるものの、前後方向への安定性は少ないことがわかります。非麻痺側先行肢のほうが不安定性が強いことが考えられ、転倒する力を生み出しているのがわかります。

しかし,非麻痺側から歩き始めた方がCOPの後方移動量がCOMの前方移動に強く連動しており(一番下の値)、無駄なCOPの移動が少ないことがわかります。つまり効率がよいと言えます。

私的解釈

今回この論文から私が読み取れることは片麻痺の患者様が麻痺側から歩き始めるのは安定を求めているからということです。片麻痺の患者様が麻痺側のCOPの立ち上がりが悪く、動的バランスが低下し、不安定性を持っているため安定性を求めるのは当たり前のことだと思います。効率性では動歩行から遠ざかるため、非効率的になってしまうことが考えられます。

理想とするところは歩行前に準備がうまくいって、勝手に非麻痺側からスイングが始まることだと思います。そのためにも麻痺側にCOPが立ち上がる感覚を入力することが大切なのではないでしょうか。

そのほかにも表から臨床につなげられることはいろいろあるかと思います。是非読んでいただければと思います。

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