歩行観察をするときになにをみますか?

PAPER Column

タイトル:Gait pattern analysis and clinical subgroup identification: a retrospective observational study.

著者:Kyeong S, Kim SM, Jung S, Kim DH.

雑誌:SSRN Electronic Journal. 2020; 15.

みなさん日々の業務・勉強お疲れ様です。 本日ご紹介致しますのは、歩行障害について各疾患における特性を捉えて、歩行評価をしやすくしよう的な論文です。

対象

片麻痺患者、パーキンソン病、神経根障害、筋骨格の痛みの1012人と健常高齢者の316人

データ

歩行速度、歩幅、歩幅、ケイデンス、初期の両脚接地時間、片足接地時間およびターミナル両脚接地時間、立脚期の最大股関節伸展、膝伸展、および足首屈曲角度と、遊脚期の最大股関節、膝、および足首屈曲角度、ピーク伸展モーメント。

結果

片麻痺群では、非麻痺側と比較して立脚期と遊脚期ともに膝関節と足関節の屈曲角度が減少。パーキンソン群では、他のグループと比較して立脚相で股関節伸展の著しい減少と股関節および膝関節での伸展モーメントの増加を示した。

神経根障害および筋骨格の痛み群はどのパラメーターも差は認めなかった。

片麻痺、神経根障害、筋骨格の痛みの各群で3つのグループに分けられた。(歩行速度が速く立脚相で股関節伸展が十分・歩行速度が速く股関節伸展が不十分・歩行速度が遅い)。歩行速度が速く立脚相で股関節伸展が十分グループは、歩行速度が最も速く、運動曲線が正常に最も近い。歩行速度が速く股関節伸展が不十分グループは、歩行全体で股関節屈曲角度が増加し、荷重時に股関節屈曲モーメント・膝伸展モーメントが増加し、遊脚相で膝屈曲角度が増加。 SLグループでは、立脚後期の足関節底屈が見られず、ストライド長が短かった。

当HP研究員のコメント

前向き研究で筋電図などを追加すれば、さらなる解析ができるのではないか。

私的解釈

今回の研究の趣旨とはずれてしまいますが、スピードが速くても股関節伸展が少なくなってしまう人がいるということです。皆様臨床で歩行を観察するとき何をみますか?私は全体をボヤっと見る方法をしています。症状のはっきりしている方なら比較的わかりやすく問題点を浮かべやすいのですが、割と歩行速度が速い患者様に対しては結構苦労するところだと思います。

私も現場で健常者の歩行分析を行うことがあるのですが、速度が速いためなかなか観察に困っていました。それでも繰り返すうちに、なんとなくですがMstからTstの間で股関節の伸展がうまく作れず、歩行効率を低下させていることが多いのではないかと思っていました。

この時期に股関節伸展が出ない要素は多数あると思います。例えば足部のインスタビリティーがありフォアフットロッカーがうまく機能しない、腰椎過前弯による股関節伸展可動性低下、股関節自体の問題etc…。

また股関節伸展は歩行の神経メカニズムで重要であるCPGの駆動に大切だと言われています。

歩行観察を行うときになかなか問題点の判断がつかないときは、立脚相で股関節の伸展がどちらのほうがうまくいっていないか観察をする。そこを入り口にいろいろな評価をプラスして臨床像を把握してはいかかでしょうか。実際の臨床場面でぜひご活用していただければと思います。

今回はやや強引な私的解釈でしたが、論文を読んでどう解釈するかは案外、人によって違うものです。それもまた面白いところなのだと思います。 また1年目に読んだ論文を10年目に読むと、違った角度からとらえられることもあります。こういうのが面白いという人もいるかもしれません。過去に読んだ論文を見返すのもいいのではないでしょうか?

読みづらい文章を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

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