最高の脳で働く方法part2



皆さん日々の業務お疲れ様です。

今回は第2章からの紹介になります。

本自体のレビューはpart1をご覧ください。

第2章はプレッシャー下でも冷静を保つというテーマです。

理学療法士、作業療法士でもプレッシャーのかかる場面はたくさんあります。

新規の患者様に介入する時、講演会に呼ばれた時、学会で発表する時、職場の美人でスタイルの良い先輩と話す時など、、、

安心してください。これから紹介していく脳の特性を知ることでプレッシャーがかかる場面でも冷静を保つことができるようになるかもしれません。

今回のキーワードは大脳辺縁系です。

では早速ですがどんな内容なのか紹介していきますね。

思わぬ展開に動揺する

シーン7はミーティングをしている場面が紹介されています。

ミーティング最中に緊張してしまい、良いアイディアが浮かばず注意散漫になってしまうような場面が紹介されていました。

後から「ああしておけば良かったなー」とか「なぜミーティング中にこのアイディアが思いつかなかったんだ」と後悔することありませんか?

それは脳がプレッシャーを感じているからかもしれません。

なぜそのような状態になってしまうのか?

それを説明するには大脳辺縁系について復習する必要があります。

既に知っていると思いますが、情動体験に重要な部位です。

偏桃体、海馬、帯状回、眼窩前頭皮質、島皮質などで構成されるネットワークを大脳辺縁系と言います。

大脳辺縁系は脳に流れ込む情報をスキャンし、何に、どのように注意を向けるべきか無意識に判断します。

脳が命にかかわる脅威を察知したとき、それを一次的脅威と呼びます。

脳が生存に有益なものを察知したときは一次的報酬と呼ばれます。

これらの反応に対して大脳辺縁系は絶えず、接近か回避かを判断しています。

それは意識できる0.5秒前に行われています。

そして危険による興奮の方が急速に生じ、長く持続し、抑えるのが難しいという特性を持っています。

最も強力な接近の情動である性欲でさえ人を走らせる可能性は低いですが、恐怖は人を走らせることができます。

これは生きるか死ぬかの世界で生きている人であれば重要な反応だと考えられますが、現代社会においては足かせとなりかねません。

現実の危険や想像上の危険によって大脳辺縁系が過剰に興奮すると様々な脳機能低下を引き起こします。

例えば恐怖でアドレナリンが過剰に分泌されると自信過剰になりやすくなると本書では紹介されています。

実際は自信過剰になっているだけで適切な判断ができていない可能性があるため注意が必要です。

具体的にどのような脳機能低下を起こすのか3つの影響を挙げています。

一つ目には前回のメインテーマだった前頭前皮質機能を低下させます。

ある研究では問題文の最後に笑顔を見るか、しかめ面を見るかによって前頭前皮質の機能に違いが生じたとしています。

2つ目は演出家を見つけにくくなると本書では指摘しています。

本書では脳機能を舞台に喩えることが多く、ここで言う演出家は脳機能を外側から見る自分と捉えていいと思います。

いわゆるメタ認知というものです。

3つ目は起きた状況に対してネガティブな反応になってしまうということです。

リスクを回避する傾向が強くなるため、そのような思考の元では良い発想もできなくなります。

これだけでも大脳辺縁系の興奮は問題ですが、さらに何もないところに繋がりをつくろうとする傾向が高まります。

これは一般化の法則に基づいて生じる反応です。

もし最近、蛇を見たとしたら脳は蛇に似ている物にも警戒するようになります。

これは危険にさらされた状況では役に立ちますが、仕事では役に立ちそうにもありません。

ネガティブな事ばかり紹介している気がしますが、もう一つ紹介しなければなりません。

それは大脳辺縁系が長期に渡って興奮したときの影響です。

興奮が長期間になるとアロスタティク負荷が高まり、既存のニューロンを殺し、海馬などの新しいニューロンの成長を止めてしまう恐れがあると本書では紹介されています。

これらの事から情動を適切にコントロールする能力は仕事だけではなく人生を成功させるうえで重要となってきます。

ではその情動をコントロールする方法の一部を紹介したいと思います。

まずは情動がそもそも起こらないように注意を向けることが重要です。

早い段階で情動を察知できるように練習しましょうと本書では語られています。

しかし誰でも情動は生じるものです。

情動の発生を感知したときには、別の事に注意を向けるようにしましょう。

ここでポイントは情動を抑えようとしないということです。

スタンフォード大学の心理学教授ジェームズ・グロスは情動の抑制は受動喫煙の様に他人に悪影響を及ぼすとしています。

具体的な研究は本書を参照してみてください。

一度生じてしまった情動に対してはここでもラベリングが重要になってきます。

多くの人は自分の情動を口にするのはネガティブな効果があると思い込んでいます。

しかし、自分の情動状態をラベリングし、短かく表現することで大脳辺縁系の興奮を抑えることができます。

ラベリングについてはいくつかの研究が紹介されていますので、本書をご参照ください。



不確実な状況に混乱する

次のシーンでは大脳辺縁系が不確実な場面で興奮しやすくなることを紹介しています。

脳は確実性を強く求めています。 

未来への不透明感、自己コントロール感の欠如は大脳辺縁系を強く興奮させると説明されています。

コラロド大学のスティーブマイヤーによるとストレスを生じさせる、ストレッサーが生物の機能を変えるかどうかを決めるとしています。

この研究はコントロール不可能なストレッサーだけが悪影響を及ぼすことを示唆しています。

回避できないストレスは破滅的な影響をもたらし、回避可能なストレスの影響は大幅に軽減されるとしています。

また、似たようなところで選択権があると認識すると、ストレスに感じていたものでも、自分でもっとコントロール可能だと実感できます。

能動的に選択をして接近反応を生み出すことができれば、入ってくる情報に柔軟に対応する能力が高まると本書では紹介されています。

では不確実な事で不安になったり、ストレスを感じた場合にはどうしたら良いのでしょうか?

本書では認知的再評価を勧めています。

認知的再評価はラベリングよりも強い情動効果があり、大きな情動的衝撃の影響を軽減する手段となります。

なぜ再評価が有効かというとコロンビア大学のオクスナーが行った神経科学研究を用いて説明されています。

「心理学の文献に下半身まひになった人も宝くじを当てた人も六か月後には同じ幸福度になっている。人は非常に悲惨な状況に置かれてもポジティブな面を見つける手立てを講じているのは間違いなさそうだ。あなたに常にできる事が一つあるとすれば状況が持つ意味の解釈のしかたをコントロールすることであり、それこそが再評価の本質的な目的である。」

上記の様に説明されています。

オスクナーは私たちの情動反応は結局は世界に対する自分の評価から生じており、自分の評価を変えることができれば、情動反応は変わるとしています。

要するに再評価は万能なのです。

詳しくは本書を参照してください。

2章最後のシーンでは期待に関する場面を紹介しています。

既に知っている方も多いと思いますが、期待は思考と学習に重要な報酬系を活性化します。

期待を大幅に超えるとドーパミンレベルが大幅に増加し、強い報酬反応が生じます。

期待が満たされないとドーパミンレベルが大幅に低下し、強い脅威反応が生じます。

つまりドーパミンレベルを適度に保つためには過剰な期待を抑え、期待をやや低めに設定することが重要です。

これも自分が何かに期待していることに気づき、再認知する必要があります。

気づきの練習と気づいた後、期待をやや低めに設定する練習が必要になってきます。

もし、ポジティブな期待が満たされず、ドーパミンレベルが低下していると感じても脳の仕業だと割り切って、常に事態は好転していることに注目してみましょう。



感想

今回は大脳辺縁系についての話がメインでした。

辺縁系は本能に関わる部分でコントロールは難しいように感じています。

しかし、ラベリングや再評価を用いて辺縁系に働きかけることができると本書から学びました。

私達の職場環境は大脳辺縁系が過剰に興奮しやすい環境のように思えます。

医療の現場は過酷です。自分が思っている以上に自分の脳は疲弊してしまっているかもしれません。

そんな時はラベリングと再評価を心がけてみてくださいね!

今回のコラムで紹介した内容は第2章のほんの一部にすぎませんが、何か役に立つ知識はあったでしょうか?

次回は第3章の紹介になります。

テーマは「他者と協力する」です。

医療現場では必要不可欠なテーマですが、上手く協力できない場面が良く見られます。

それは私たちの脳の仕業かもしれません。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに!



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