最高の脳で働く方法FINAL

Book Column



全4回に渡って紹介してきた最高の脳で働く方法ですが、今回で最後になります。

最終章は今まで学んだことを通して他者の変化を促す方法が書かれています。

では早速見ていきましょう!

他者の変化を促すのは難しい?

最終章では今まで学んできたことを生かして他者の変化を促す方法を考えていきます。

ある研究によれば、他者に大きな影響は与えられるが、他者をコントロールすることは難しいと結論づけられています。

最終章で紹介されているシーンは他者の問題解決に手を差し伸べるも上手く問題解決を手伝えないシーンが紹介されています。

シーンの最初ではまず、フィードバック行い、上手くいかず断念する様子が書かれています。

その後問題の原因を突き止めて、何かしらの提案をする方法に切り替えます。

この方法をデフォルトアプローチと著者は呼んでいます。

このデフォルトアプローチは非効率であり、望ましくない副作用を及ぼす可能性があると本書では書かれています

ではフィードバックの問題点から見ていきましょう。

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フィードバックの問題点

変化を促す方法として真っ先に使われるのがフィードバックです。

私達の業界でも実習の後にはフィードバックが待っています。

これが実習生にとっては辛いんですよね。

もちろんバイザーの先生にとっても大変な作業だと思います。

フィードバックは大抵の場合、相手にとって脅威になります。

相手を不安にさせてしまうだけなのです。

本書ではフィードバックは「建設的」である分、会話の大半が自己弁護を中心に展開されるとしています。

理学療法士の実習におけるフィードバックの全部がそうなるわけではないと思いますが、わからない質問に対しては自己弁護に陥りやすい印象があります。

他者の変化を促すにはもっと良い方法がありそうです。

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問題指向のアプローチの問題点

フィードバックが上手くいかなかった時、問題を掘り下げて原因を探る「問題解決アプローチ」をとりたくなります。

しかしこれにも問題があり、困難な課題ほど情動が高ぶり、情動が高ぶっている時は問題を思い出すだけで大脳辺縁系の興奮に繋がり、問題解決どころではなくなってしまいます。

この解決方法は既に紹介したラベリングという方法がありますが、常に小さな問題を解決しているという意識を持つことが重要だと本書では書かれています。

更に1つの問題を掘り下げて行き詰ると、下降スパイラルに陥り、ドーパミンレベルは低下します。

脳内のリソースは減り、意欲は低下していきます。

こうなる前には強力な演出家が必要となってきます。

演出家は以前にも紹介しましたが、自分を客観的に見る能力と思っていただければ良いと思います。

ではこれほど非生産的な問題指向アプローチはなぜ好まれるのでしょうか?

それは一つの問題に注目する方が安全に思えるからです。

脳が不確実な事を嫌うということを思い出してください。

脳は未来のための回路はほとんど持ち合わせていません。

解決策は問題に注目し情報を深く掘り下げて左半球を活性化するのではなく、解決のための手掛かりを見つけるため広く回りを見渡し、右半球を活性化する必要があります。

右半球が活性化するとインサイトが生じやすくなります。

インサイトは直訳すると洞察、物事を見抜く力ですが、本書では問題解決のための解決策が思い浮かぶ、アハ体験のようなものとして捉えていいと思います。

そのため、インサイトを生じさせるためには行き詰まりを感じることも大切だとしています。

話が少しズレましたが、どうしても問題を深く掘り下げたくなる時があると思います。

それは脳の習性だと思いましょう。

時折演出家を働かせながら、解決策に目を向けるように誘導していきましょう。

では他者に変化を促すためにこれらの事実をどう生かせばいいのでしょうか?

まとめると相手の問題について深く考えたり、フィードバックや提案をする代わりに、相手の思考について考えるようにしましょう。

相手が自らの思考をもっと深く考えられるようになれば多くの場合、変化は簡単に促せると本書には書かれています。

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集中が力を生み出す

相手を変える手法として「飴と鞭」の手法が良く用いられると思います。

これは1930年代に登場した行動主義の考え方に基づいています。

行動主義はパブロフの犬で有名な条件反射を基礎としています。

しかしこの手法は動物、子供には良く効きますが、大人には効かない場合があります。

この行動主義が現在でも用いられる理由はその単純さにあります。

覚えておくべきは飴と鞭だけなので行動主義はとびきり確実に思えます。

しかし著者らは新しい理論の枠組みを提唱しています。

変化をもたらす決め手は飴と鞭ではなく、人の注意を正しく集中させることだとしています。

注意の比喩に適しているのは演奏中のオーケストラだと本書では説明されています。

個別の構成単位があり、それぞれの単位が他の単位とタイミングを合わせて物事を行う。

何かに細心の注意を払うと、脳全体でさまざまな地図が同時に作動し始め、互いに複製しながら一体として一つのパターンを形成します。

脳科学では注意や意思決定の際に脳細胞が同期して働いていると考えられています。

統合的運動生成概念でもこの同期現象は重要視されていますね。

ブリティシュコロンビア大学のローレンス・ワードらは2006年の研究で神経同期が脳内の機能モジュール統合に重要な役割を果たしていることを突き止めています。

また、神経同期がノイズの度合いに影響されることも明らかにしています。

細心の注意を払っているときには、特定のタスクを完了するために、数多くの脳部位が大きな回路の中で繋がりあう。

この大きな回路が形成されると、脳内の電気活動のうち最速のガンマ波が脳内に頻発します。

一部の研究グループからはこのガンマ波が「統合」周波数と考えられています。

異なる回路が同時発火すると、ヘブ則の状態になります。

これらの事から注意が脳を変化させる有効な要素であると言えます。

つまり、脳を変えるのは難しくないですが、注意を向けるのが難しいのです。

そして新しい回路を維持するためには反復が必要となります。

自分にとって重要な事に相手の注意を頻繁に向けさせるために最も良い方法は協力させることです。

脳は極めて社会的なため、社会に関する自分が望んだ変化が得られると良好な状態を保てます。

もっと効率的に変化を促したいと考えている人は自分の内面について理解を深める練習をしましょう。

結局は自分自身の脳を知ることが大切なのです。

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感想

これまで4回に渡って最高の脳で働く方法を紹介してきました。

本書ではそれぞれのシーンで脳の働きに変化をもたらした様子が書かれています。

これらの変化は脳スキャン上ではほとんど認識できません。

つまり100分の1秒で生じた脳の働きの微細な変化が、人々の日常にときに大きな変化をもたらす場合があるということだ。

と本書では紹介されています。

自分を変え、他者を変える能力は結局のところ自分の脳をどれだけ知っているかにかかっています。

少しでも興味を持った方は本書を手に取ってみてください。

私も何度も読み返していますが、2000円ちょっとでこれだけの知識が得られる本はそうないと思います。

500ページ以上あるため、columnでは伝えきれないことばかりです。

それでもcolumnでお伝えしたことが少しでも皆さんの役に立てばと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は脳と腸という本を紹介する予定です。

第二の脳と呼ばれる腸がテーマです。

脳腸相関という言葉を知っていますか?

興味を持った人は次回も楽しみにしていてくださいね!



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