心不全のアセスメントⅡ

Value of Clinician Assessment of Hemodynamics in Advanced Heart Failure The ESCAPE Trial

Mark H. Drazner, MD, MSc; Anne S. Hellkamp, MS; Carl V. Leier, MD;
Monica R. Shah, MD, MHS, MSJ; Leslie W. Miller, MD; Stuart D. Russell, MD; James B. Young, MD; Robert M. Califf, MD; Anju Nohria, MD

Circulation. Heart failure

結果

H&P検査およびBNPと心室充満圧との関連性

RAPの推定値は、侵襲的に測定されたRAPのミリ水銀値と関連していた(図1)。

推定低RAP(<8 mmHg)の11人の被験者のうち、9人(82%)がRAP<8 mmHgを測定した。

推定RAP≧8 mmHgの181人中149人(82%)がRAP≧8 mmHgを測定した。

推定RAP>12 mmHgの114人中80人(70%)がRAP>12 mmHgを測定した。

図1

RAP <8mmHg の測定値に対する推定 RAP <8mmHg の正負の尤度比*1は 16.6 および 1.3 であった.推定されたRAPが12mmHgを超えた場合の、RAPが12mmHgを超えた場合の正負の尤度比は2.2と3.3であった。

ここで出てきた正負の尤度比について例題を加えて書いてある記事がありましたのでそちらを参考にしてください。

https://e-kangosyoku.jimdofree.com/2016/04/01/%EF%BC%98-%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%AE%E6%8C%87%E6%A8%99%E3%81%A8%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0/

ここで言えることはH&P評価によりRAPが<8mmHgと推定できればカテーテル評価でも同じ結果になるということです。

続いてROC曲線(図2)では、H&P検査の推定値の性能は、RAP >12 mmHg(AUC⫽0.74)で良好であり、PCWP >22 mmHg(AUC⫽0.63)では良好であった。それにもかかわらず、H&P検査はPCWPの増加を検出するためにBNPと比較して良好であった(AUC⫽0.55)。

図2

ROC曲線についてはこちらの方のブログを参照ください。

https://ameblo.jp/intelligent-pharmacist/entry-12236747135.html

PCWP>22mmHgを従属変数とする多変量モデルにJVP≧12mmHgを入力すると、H&P検査の他の成分はPCWP>22mmHgと関連していなかった(JVPオッズ比、3.3;95%CI、1.8、6.1)。

つまりJVP≧12mmHgという評価はほかの評価と比較してPCWP>22mmHgの検出に有用であったということです。

感度分析では、他のH&P所見がより高いPCWPの閾値と関連しているかどうかを判定しています。

JVP≧12mmHgに加えて、≧28mmHg(P⫽0.02)、≧30mmHg(P⫽0.01)、または≧32mmHg(P⫽0.05)と定義された場合には、起坐呼吸のみがPCWPの上昇と関連していた。多変量モデルでは、起坐呼吸(オッズ比、3.6;95%CI、1.02、12.8;P<0.05)とJVP≧12 mmHg(オッズ比、4.6;95%CI、2.02、10.2;P<0.001)の両方が、互いに独立してPCWP>30 mmHgと関連したままであった。

つまりPCWPの値を大きくすると起坐呼吸も関連性が高くなっているということです。

今日の結論

進行性心不全では、起坐呼吸の存在と頸静脈圧の上昇は肺毛細血管楔入圧の上昇を検出するのに有用となる可能性がある。

今回はここまででです。

私がこの論文を解釈しているときに一番苦労したのは統計的処理に出てくる専門的な言葉です。

論文を読むときは統計を見なくても筆者の言いたいことはある程度分かります。しかし統計的なことがわかるとさらに世界が広がる予感がしています。笑

次回は虚血性の徴候についてと6カ月後の転帰との相関関係についてです。

本日も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。

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