影響力の武器3

Book Column
ゆたしゅう
ゆたしゅう

この記事は1~5年目のセラピスト向けです。

ゆたしゅう
ゆたしゅう

皆さんこんにちは!少し時間が空いてしまいましたが、今回も影響力の武器について見ていきたいと思います。

6つの影響力の武器も今回でコンプリートとなります。

残り二つを知って承諾誘導のプロたちから身を守る術を身に着けていきましょう!

それでは早速見ていきましょう。

権威

少々長くなりますが、権威を理解するためには心理学者ミルグラムの実験を紹介する必要があります。

この実験に登場するのは研究者、教師、参加者です。

罰が学習と記憶に及ぼす影響を明らかにするために行う研究と説明し参加者を募ります。

内容は参加者に長い単語のリストを覚えてもらい、その後参加者の腕を固定し、電極を取り付けます。

そして教師が単語のテストをし、間違えるごとに電気ショックを与えます。

しかも徐々に電圧の強さを上げていきます

最初は順調に答えらますが、徐々にミスをします。

電圧の強さが強くなれば集中力も低下し、ミスを繰り返すようになります。

参加者は強いショックを受けて、うめき声を上げ、「もうやめてくれ、お願いだからここから出してくれ!」と訴えますが、教師は淡々と次の問題に移ります。

参加者は「何も反応しなければ異常があったのだと思い、さすがに辞めるだろう」とテストにも反応しませんが、それも間違えとして電気ショックを受けます。

この教師はどんな人間なんだろう、なぜ助けてくれないのだろうと心の中で参加者は思います。

実際にこんなこと私は耐えられないと思います。

想像するだけで痛ましいですが、実はこの実験、電気は流されていませんでした。

参加者は役者だったのです。

中には心臓病があると事前に告知して実験中に具合が悪くなった演技をしても電気ショックのレバーを引き続けた教師もいました。

この非人道的な行動はなぜ起こるのでしょうか?

教師として参加した人たちには精神疾患の徴候は全くありませんでした。

これが権威の持つ影響力の武器です。

実際に教師はレバーを引くべきかどうか混乱していたそうです。

しかし実験服を着た研究者の意向に背くことができなかったのです。

人は権威者の命令に従うようになっているのです。

しかもそれはカチッ サーと反応します。

この権威ですが、私たち医療業界の人間ならかなり身近に体験することがあります。

病院のヒエラルキーは医師を頂点として成り立っています。

チーム医療という言葉がありますが、医療を提供するうえで医師の指示が無ければ何もできないのが現状です。

医師は強力な権威を持った権力者なのです。

時にはその権威が医療事故を引き起こします。

本書の中でも紹介されているものがあります。

コーエンとデイヴィスによって報告された「直腸の耳痛」という奇妙な事例です。

ある医師が感染症により耳に痛みを訴えている患者の右耳に、耳の薬をさすように指示しました。

その医師は指示書に「Right」を略して「place in R ear」と書きました。

担当の看護師は指示された通り患者の肛門に耳の薬をさします。

Rear=お尻と看護師は勘違いしたのです。

でも看護師も薬の知識は豊富で耳の薬を肛門にさすなんておかしいと思ったはずです。

しかし、医師の権威に従うようカチッ サーと反応してしまったのです。

このように権威は短絡的な意思決定として思考を伴わない形で生じるとされています。

そしてこの権威はシンボルや肩書にも反応するとされています。

例えば先程の例で言えば白衣や高級時計にも反応します。

高級自動車もそうですし、肩書は部長や課長などにも反応します。

これは裏を返せば前回のcolumnで紹介したハロー効果に対抗、もしくはより効果を高めることができるということです。

イケメンでなくても高級車や高級時計を身に着けることで人生を謳歌することができるのです(笑)

冗談はさておき、このシンボルに反応するというところはポイントなのでよく覚えておいてください。

防衛法

カチッ サーと反応してしまうのなら仕方ないとあきらめるのではなく、常に自分自身の思考を持っていることが大切です。

また、本書の中では権威から身を守る重要な質問を二つ紹介しています。

一つ目は「この人は本当に専門家だろうか?」というものです。

この質問でシンボルから目を逸らすことができるはずです。

二つ目は「この専門家は誠実だろうか?」というものです。

なにか重要な決断をする時には自分自身にこの質問を問いかけてみてください。

例えば、私たちが知らない専門用語を多用してくる人には注意です。

専門的な知識を持っていると思わせるためあえて専門用語を多用している可能性もあります。

カチッ サーを誘発しようとしているのです。

そのひとは本当に専門的な知識を持っているのでしょうか?

そのひとは誠実な取引をしてくれる人なのでしょうか?

重要な決断の前にもう一度考えてみてくださいね。

希少性

仕事柄、移動中にラジオを聞いていると「今から30分限定のお申し込みで半額です!」「数量限定でのご案内です!」という通販をよく聞きます。

毎日ラジオを聞いている私からすれば、「また同じこと言ってんなー」としか感じません。

なぜラジオの通販はこのような事を言うのでしょうか?

それが希少性の原理を用いた技術だからです。

この方法が続いているということは通販でも一定の効果があるのだと思います。

その希少性の原理が効果的な理由は二つあります。

一つは手に入りにくいものはそれだけ貴重なものであることが多いのでカチッ サーと反応してしまうということです。

二つ目はある商品が手に入りにくくなると、私たちは自由を失っています。

すると心理的リアクタンス効果が働いてその商品を何としても手に入れたくなります。

心理的リアクタンス効果とは自由を制限されると発動し、自由を取り戻そうとする心理現象です。

医師に脂肪肝だからアルコールは控えてくださいとか言われると余計に酒を飲みたくなるのです。

この現象は心理的リアクタンス効果が元となったガリギュラ効果と言われています。

人は禁止されればされる程、それをやってみたくなるものなのです。

また、ブーメラン効果というものがあります。

相手を説得しようとするほど、相手に拒絶される現象です。

少し話が逸れましたが、心理的リアクタンス効果により希少性はより効果的になります。

また、希少性の原理は元々制限されているものより新たに制限されたものの方が価値が高まるとされています。

私のようにラジオを毎日聞いて同じようなショッピング番組の内容を聞いているとよくわかりますが、新しい商品の紹介の時は魅力的に感じます。

そして他者と競い合っている時が最も希少性の原理が強くなります。

例えるならバーゲンセールですね。

コロナ禍では考えられませんが、バーゲンで目玉商品が取り合いになるのはこのためです。

防衛法

どの影響力の武器に対してもそうなのですが、基本的には発動するとカチッ サーと反応してしまうので冷静に理論的でいるのは難しいかもしれません。

希少な商品が欲しいと思ったら欲しい衝動を鎮め、一度落ち着きましょう。

冷静になるとそんなもの要らないなと思うことが良くあります。

あとは希少性の原理を知っているか知らないかでは大きく違うと思います。

columnを読んで下さった皆さんは希少性の原理を理解しているので、今後は冷静に判断することができますね!

まとめ

3回に渡って影響力の武器を紹介してきました。

6つの影響力の武器でそれぞれ強力な承諾誘導法ということがわかりました。

日常でこれらの方法を利用している人はかなり多くいます。

それは知ってか知らずかは分かりませんが、最大の防衛法は自分がこれらの知識を身に着けることです。

あわよくば、リハビリテーションという分野ではこの知識を大いに利用することができます。

特に返報性やコミットメントと一貫性はリハビリテーションゴールの設定の際に上手く働きかけることができれば、患者さんに強いやる気を生み出すことができます。

そんな風に知識は使ってなんぼですし、いくらでもアレンジできると思います。

皆さんも様々な意見があると思いますので今回のcolumnで興味が出たという人は本書を買って読んでみてくださいね!

そしてコメント欄で感想を書いてくれたら嬉しいです。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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