影響力の武器2

Book Column

皆さんお疲れ様です。

今回は前回の続きを見ていきたいと思います。

前回は返報性の法則、コミットメントと一貫性の紹介をしました。

どちらも強い影響力を持ち、これらの特性を知っておかないと承諾誘導のプロたちに買いたくもないものを買わされたり、やりたくもないことをやらされてしまう可能性があります。

まだ読んでない方はまとめをご覧になってみてください。

さてそれでは続きを見ていきたいと思います。

社会的証明

3つ目の影響力の武器は社会的証明と言います。

名前からどんなことを想像しますか?

この原理が使われた例を紹介します。

それは身近にあるTVです。

よくバラエティー番組などで使われる録音された笑い声を知っていますか?

私はこのわざとらしい演出はあまり好きではありませんが、アメリカ人のほとんどは私と同じ意見のようです。

時には苦情もあるようですが、TV局はそれを辞めません。

なぜなら数々の研究結果から笑いどころであの笑い声を使うと観客の笑う回数が増え、そのネタを面白いと思うことがわかっています。

さらにはジョークがつまらない時ほどあの笑い声が有効であるということを示す根拠もあります。

問題はここからです。

なぜ、不愉快なあの笑い声が私たちに良い方向へ影響をもたらしてしまうのでしょうか?

それこそが社会的証明の原理です。

この原理が特に適用されるのは、どう行動するのが正しいかを決める時です。

特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断します。

ほかのみんながやっているから正しいだろう。と判断するのは大抵の場合その通りです。

社会の中では特にそうです。

時には少数派は淘汰されてしまうこともあるでしょう。

それが本当に正しいとしてもです。

基本的にはこの原理もカチッ サーとなります。

スイッチが入れば自動的に反応してしまいます。

社会的証明を利用しているのはTV局だけではありません。

アメリカのバーでは店を開ける前にチップ入れに何枚かのドル紙幣を混ぜておきます。

そうすることで、紙幣でチップを払うのが、バーに相応しい行動であるという印象を与えようとしています。

中には教会でもこのような手法を用いているところがあるようです。

不明確さ

返報性の法則も一貫性もある条件が加わると、一層効果的になります。

これらの影響力の武器から身を守るためには「知る」ことが重要です。

社会的証明においては「不確かさ」が条件の一つになります。

自分たちの確信がぐらついている時、人は他人の行動を正しいと判断し、それを受け入れます。

もう一つの条件は、「状況に対する馴染みのなさ」です。

そうした状況に置かれると人間はそばにいるほかの人たちのやり方に従います。

一つ例を見てみましょう。

今ではショッピングカートが無いお店が珍しいですが、昔はありませんでした。

ある人物が思いつきます。

客が買い物を辞めるのはカートが重くなりすぎてしまったからだということに気づいたのです。

そのためショッピングカートを作りました。

しかし最初は中々浸透しません。

ところが、ショッピングカートを発明したシルバン・ゴールドマンは社会的証明を使ってこのカートを浸透させます。

皆さんならどんなアイディアを思いつきますか?

ゴールドマンはサクラを雇ってショッピングカートを使わせたのです。

するとあっという間にショッピングカートが広まり、ゴールドマンの資産は4億ドルを超えました。

私たちは自分の不確かさを解消するため、他者の反応に知らず知らずのうちに影響を受けていることを知っておきましょう。

例えば私のしているリハビリテーションは不確かさの塊のようなものです。

そもそも医療業界自体が不確かさが多いです。

人体は分かっていないことがあまりにも多いからです。

だからと言って先輩や同僚のリハビリ内容を真似すればいいという訳でもありません。

自分で考えて、吟味してプログラムを立案しリハビリを提供することが大切だと私は思います。

少なくとも自分が知らないうちに不確かな(自分が分からないこと)については社会的証明の圧力がかかっていることを忘れないようにしてくださいね。

科学的研究

よく都会の人は冷たい。田舎の人は温かい。なんて言いますが、本当なのでしょうか?

それについて研究しているものがあります。

ニューヨーク大学の学生が、てんかん発作になったふりをしました。

居合わせた人が一人の場合は援助してくれる確率は85%でしたが、5人が居合わせた場合は31%にしかなりませんでした。

この研究が示唆しているのは他の傍観者が居ることで援助の確率を下げたということです。

つまり、緊急事態が起きても都会の場合は周りの傍観者が多いため社会的証明が働き「誰かが助けてくれるだろう」「既に誰かが通報してくれているだろう」とみんなが思うのです。

こうした状況で自分が助かるにはどうしたらいいでしょうか?

答えは社会の中から一人を隔離することです。

指をさしたり、「帽子を被ったそこのあなた、助けてください。」などと一人に声をかけて社会から一人の個人にしてしまいましょう。

そうすることでその人に責任が生れます。

BLSやICLSでの声掛けも必ず指名してAEDを持ってこさせたり電話させたりとしますよね。

これも不確かさを取り除くためと言えます。

これを知っていれば急に具合が悪くなっても都会の冷たい人の中でも助かることができます(笑)

社会的証明は基本的に生きやすくするための便利な機能です。

進化の過程で得たカチッ サーなのです。

社会的証明から身を守るには自分と似た人が行っていることに対して正しいか、正しくないか常に吟味するようにすることが大切です。

私たちの業界で例えるならあるセミナーに参加するとしましょう。

そこにある程度内容を理解できたとしますが、理解できないところがあるとします。

周りのみんなは理解しているように見えます。

そんな時あなたはどうしますか?

あとはセミナーはパワーポイントなどでスライドが用意されていると思いますが、本当にそれを信じて大丈夫ですか?

他者の反応をあてにすることは時には大切ですが、よく吟味してみてください。

好意

4つ目の影響力の武器は好意です。

友人関係やお世辞に至るまで自分のことをよく思ってくれることを好意と捉えます。

そしてこの好意が承諾を引き出すテクニックとして利用されているのです。

デトロイドのジョー・ジラードという男は好意のルールを用いて車を売るスペシャリストです。

年間20万ドル以上も稼いだそうです。

それほど稼いでいればオーナーかと思いますが、彼はショールームの営業マンです。

世界で最も偉大な自動車セールスマンとしてギネスブックに載ったこともあります。

彼が車の販売に用いた手法は公正な価格とこの人から買いたいと思うような人格です。

「この二つが揃えば誰でも車を買いますよ。」と彼は言います。

価格はともかく、買いたいと思わせる人格とは何なのでしょうか?

少なくとも他のセールスマンよりも好かれていたことには間違いありません。

もう少し好意について見ていきましょう。

ハロー効果

あなたを好きになるのはなぜなのでしょうか?

ひとつは外見的魅力があるからかもしれません。

外見的魅力がある人は他者との付き合いで有利になるということは一般的に知られています。

いわゆるハロー効果です。

ハロー効果は様々な研究でその効果が証明されています。

中には外見の良い政治家は得票率が良かったり、給与面でも優遇され、裁判でも無罪になりやすいという結果が示されています。

このようにイケメンに生まれなかったら人生HARDモードが確定してしまいます。

それは流石に言いすぎですね(笑)

世の中イケメンや美人の数は少なく、ほとんどの人が平均的な外見をしているのでハロー効果がすべてではありません。

好意を生み出すために強力に作用するとされているのが類似性です。

類似性

いくつかの研究によれば自分と同じような服装をしている人を好んで助けるようです。

また、似通った経歴や趣味を強調することで好意を得やすくなるとされています。

人間は類似した人を好むようになっているのです。

現に車のセールスマンは客の車の下取り価格を査定している間、類似点の手掛かりを探すように訓練されています。

「似た者同士ですね」と近寄ってくるカーディーラーには注意が必要です。

細かいところですが、ミラーリングという手法があります。

相手に気づかれないように相手と同じ仕草をすることで相手の深層心理に働きかけ、好意を引き出すのです。

もう一つ好意を高める要因に称賛があります。

あまり露骨だと反感を買いますが、お世辞は一般的に好意を高めます。

こういった原理を理解し初めて会う患者さんなどに上手く使うことで治療効果も上がるかもしれませんね。

接触と連合

人や物と繰り返し接触することで馴染みを持つようになることも大抵の場合は好意を促進します。

心理学の世界でも「単純接触効果」と呼ばれ顔を合わせる回数が多いほど好意を抱きやすいということが知られています。

しかしこれには条件があり、快適な環境に限られて起こる反応です。

不快な環境ではいくら接触しようと好意は起こらないようです。

また、好意と結びつくいくつかの要因の一つに連合があります。

テレビ局の天気予報士は天気を予報します。

これは誰もが知っていることなのですが、天気が悪いとその予報をした天気予報士にクレームが殺到することがあるようです。

これが連合の原理です。

私たちは悪い出来事や良い出来事と関連があるだけで、人々に良くも悪くも思われてしまうのです。

小さいころよく「悪いこと遊んじゃ駄目よ」とおあばあちゃんに言われましたが、その通りなのです。

周りは深いところまでは分からないのでカチッ サーと同じように悪い子だと思われてしまうからです。

これが良い方に結び付けば好意が抱きやすくなるということです。

防衛法

防衛法はやはり好意という強力な影響力の武器があるということを知ることが大切です。

そのうえで相手に対して自分が過度な好意を持っていないかということにアンテナを張っておきましょう。

もし好意を持っていたなら相手の申し出の内容をよく吟味してから承諾すると良いでしょう。

皆さんも車を買う時には気を付けてくださいね。

特にカーディーラーは影響力の武器をよく知っているようですから。

まとめ

今回は社会的証明と好意についてみていきました。

どちらも社会で生きていく上で知っておかないと損する羽目になります。

特に社会的証明は自分では気づきにくいので常にアンテナを張っておかなければなりません。

裏を返せば普段から気を張らなくてもいいようにカチッ サーのようなシステムが備わっているのだと思います。

かといってカチッ サーに全てを委ねることは危険です。

ここで社会的証明、好意を知りぜひ本を読んでいただけたらと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

次回も影響力の武器の続きを見ていきたいと思います!

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