人は走るために進化した?

Endurance running and the evolution of Homo

Dennis M.Bramble Daniel E.Liberman

Nature.2004 Nov 18;432(7015):345-52.

今回は、人は長距離走行をするために進化した?という論文をご紹介します。

共著者であるDaniel E.Libermanさんは書籍「Born to run」で一斉を風靡しました。

ご存知ですか?

この本によって走り方の一つ「フォアフット走法」が脚光を浴びるきっかけになりました。

BORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”

そしてここから・・・

「フォアフット走法」「リアフット走法」どちらがいいのか走り方論争が始まり、今も続いています。

それに関して走り方を比べた論文を動画で紹介しているので、よろしければそちらもご覧下さい。

さて話を戻しましょう。

今回はそのLibermanさんが書いた論文です。

研究の目的

人間が長距離ランニングでどれだけうまく機能するかを調べ、他の哺乳類の持久的な走行能力の生理学的および解剖学的基盤をレビューすること。

結果

論文では人の他に、様々な動物の最適な走行速度・エネルギーコストなどが書かれていました。

その中でも、面白いと思ったものを抜粋すると

・ほとんどの人間は自発的に約 2.3〜2.5m/s で走行に切り替える。

・チンパンジーなどの類人猿、およびパタスサルなどの他の霊長類 は、短距離で疾走することができるが、人間以外の霊長類は持続的走行に対応できない

・人間が多くの四足動物と比較してパフォー マンスが低い 1 つのカテゴリは、ランニングのエネルギーコストである。人間のランニン グのエネルギーコスト(COT)は、他の霊長類を含む典型的な哺乳類よりも約 50%高い。

・その代わり、人間は、幅広い速度で歩行や代謝の代償なく、連続して走行速度を調整できる(これについては下図で説明します)。

(図は論文より抜粋)

この図は何を言っているかというとスピードが上がってくるにつれてエネルギー効率がどれだけになるのか、ということです。

右上の青い線、これが人が走っている時のエネルギー効率です。

これを見る限り、スピードが上がってもエネルギー効率は緩やかに下がる程度です。

それに対して真ん中したの水色の曲線、これは馬が軽く走っている(Trot)時のエネルギー効率ですが

スピードが3m/s-1くらいで一番低くなり、その後緩やかに上昇(効率が悪くなる)しています。

そして、点線で囲ってある部分は、最もエネルギー効率が良いところです。

なんと、人は走っている時ずっとエネルギー効率が最も良い状態をキープできます。

私的解釈

人は走るために進化をしてきている、というのも一理あるのかな、と思える論文ですね。

なぜなら、他の動物に比べて走っている時のエネルギー効率がとても良いからです。

また、歩行と走行を脳からくらべた論文では、どっちもほとんど変わらない

つまり走行は歩行の延長線上にある、と考えられます。

四足動物は最もエネルギー効率が最適になるスピードがあるのに対して、人はある程度どのスピードで走っても、その時で最適なエネルギー効率を生み出せるシステムが備わっているようです。

これは凄ですよね!速さ関係なく体が最適を作る、自己組織化システムが作り出せる妙だと感じます。

ただこれをリハビリテーションに、となると少し頭をひねらないとですね。

最終的には走れるまでになれば最高、ということでしょうか。

疾患にもよりますが、そこまでってかなり難易度高いですよね・・・

予防事業には活用できるかもです。

うーん、何か良いアイディアがあれば教えてくださいw

本日はここまで

最後までお読みいただきありがとうございました。

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