リハビリの結果と責任

Book Column

池ノ上寛太著 2009.10

今回は私が読書をするきっかけとなった本の紹介です。

タイトルは「リハビリの結果と責任~絶望につぐ絶望、そして再生へ」です。

このコラムを読まれている方は知っている方も多いのではないでしょうか?
この本は著者の池ノ上寛太さんが実際に体験されたお話しです。

闘病の始まり

49歳の夏、交通事故に合い、目が覚めると足の親指しか動かない。
そこから池ノ上さんの闘病生活が始まります。

最初の病院を退院して回復期の病院へ入院した際、三種類のリハビリを行うよう告げられます。皆さんご存じの通り理学療法、作業療法、言語療法です。

そしてその病院で初めて病名を告げられます。「脳挫傷」(頭部外傷後遺症による四肢麻痺)でした。

そこでのリハビリは激痛に耐える日々、ただひたすら傾斜台に乗り、体を動かされる日々でした。また、リハビリを受ける中でスタッフ間の技術格差に疑問を持つようになっていきます。

繰り返される転院とゴールの無いリハビリに自分の無力感を感じつつ、リハビリの内容、結果、セラピストの責任を読者に投げかけています。

物語の途中、池ノ上さんの仕事についても触れられています。

何と10社も会社経営をされていたのです。そんなバリバリ仕事をしている経営者の視点からみたリハビリ業界の特殊性もこの作品の見どころだと思います。

絶望しながらリハビリを繰り返す日々。そんな中辿り着いた最後の病院で運命の出会いがあります。

障害受容

転院につぐ転院により具体的な目標も持たず、自分の身体について納得のいく説明を受けられず、必死にリハビリを続ける池ノ上さんでしたが、ついに最後の病院にたどり着きます。

そこでの理学療法士、作業療法士の熱意により次第に心を開いてい行きます。「何が何でも歩きたい!」という池ノ上さんの心境も変化していきます。

そして物語の最後には障害受容について考えることで締めくくっています。

バリバリの企業人が交通事故により突如、四肢麻痺となって絶望しながらも少しづつ価値観を変えることで障害を受容していく。

私たちも障害受容については学校で習ってきましたが、この本を読むことで当事者の気持ちを垣間見ることができるかもしれません。

感想

この本の醍醐味は普段リハビリをする立場の人間が患者側に感情移入して読み進めることだと思います。

また、2009年10月初版と少し古い本ですが、本当にこんなセラピストがいたのか(笑)というような描写もあります。

今の時代ではあまり考えられないような描写もあるのでそこも楽しみの一つだと思います。

しかしそんな時代を経て今のリハビリがあります。これも真摯に受け止めていかなければならないと思います。

診療報酬が年々減らされている理由もまさにリハビリと結果と責任にあるのではないでしょうか?

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