スマホ脳

Book Column

2020.11 アンデシュ・ハンセン著 久山葉子訳

目次
第一章;人類はスマホなしで歴史を作ってきた
第二章;ストレス、恐怖、うつには役目がある
第三章;スマホは私たちの最新ドラッグである
第四章;集中力こそ現代の貴重品
第五章;スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
第六章;SNSー現代最強の「インフルエンサー」
第七章;バカになっていく子供たち
第八章;運動というスマートな対抗策
第九章;脳はスマホに適応するのか?
第十章;おわりに

読みやすさ★★★★☆
エビデンス度★★★★☆
リハビリ関連度★★★☆☆

皆さんお疲れ様です。

今回は久しぶりに「脳」に関する本を紹介したいと思います。

近年、急速に発達したICTですが便利になった反面、自らを危険に晒しているということを皆さんはご存じですか?

スマホ、タブレットは私たちの脳に強烈に働きかけます。

ドーパミンがドバドバ出ちゃいます。

そのためスマホに依存している人が大勢います。

朝起きたらYouTube見て、ご飯を食べてスマホをいじり、昼ご飯を食べて、パソコンをいじり、また、スマホをいじり妻に怒られ、、、、、

私のことです(笑)

なぜ、こんなにもスマホは魅力的なのでしょうか?

Facebook、Twitter、Instagramはなぜ、ついつい開いてしまうのでしょうか?

それは巧みに仕掛けられたあなたを虜にする技術が組み込まれているからです。

それに私たちの脳は現代社会にまだ適応できていません。

その結果、不眠だったり、うつになったりしてしまいます。

なぜそうなってしまうのでしょうか。

それでは詳細を見ていきましょう!



人間が現代に適応できない理由

現代人は進化の産物です。

今、置かれている環境に適応した結果が今の私達です。

例えば、北米に住む熊を例に挙げてみましょう。

どんどん遠くに移動してアラスカにたどり着き、厳寒の極地で暮らすことになりました。

茶色の毛は雪景色になじまず、唯一の獲物アザラシにもすぐ見つかってしまい、熊たちは飢餓の脅威にさらされました。

ところがあるメス熊の卵子に突然変異が生じました。

毛皮の色を司る遺伝子が白い毛になるように変化したのです。

白い毛をもつ熊は茶色毛の熊よりアザラシに近づくのが上手く、生存する確率も高くなりました。

こうして茶色い毛の熊は生存競争に敗れ、一万年~十万年かけてアラスカの熊は白い毛になりました。

種に大きな変化が起こるには長い時間、長い年月を要するのです。

これは人間においても同じです。

現代ではフードロスが問題になるくらいですが、少し前までは食料がこんなに豊富にある世界は考えられませんでした。

そのため木に実がたくさんなっていれば、少しづつ取って食べるより、一気に食べて脂肪として蓄えたほうが、生存する確率が高くなります。

明日、木の実がなっているか分からないし、次はいつ食事にありつけるか分からないからです。

現代社会ではどうでしょうか?

食べ物にあふれ、甘いジュースやお菓子が24時間買えてしまいます。

人間が生存するために有利に働いていたメカニズムが突然害を引き起こすようになったのです。

こうして肥満や糖尿病が爆発的に増え、世界中で問題となっています。

これは精神面でも同じことが言えます。

常に周囲を確認し、異常なほど活発で、すぐに他の事に気をとられる。かつてはそんな性格のおかげで、危険を速やかに避けることができたのです。

今は教室でじっとしていることが困難な子はADHDと診断されます。

うつ病もそうです。

昔は動物に食われたり、他人に殺されたりする時代でした。

常に危険に対して不安を感じ、危険を避けるために入念に計画を立てる。

そうやって生きる確率を高めてきましたが、現代社会ではその性格のせいでうつ病になったりします。



人間は現代社会に適応するように進化していない

他の動物と同じく人間は環境に適応するように進化してきました。

わたしたち人類は圧倒的に多くの時間を狩猟採集民として暮らしてきました。

私達は狩猟採集民としての進化を遂げているのです。

当時と現在の生活の違いを見ることで、人間をより理解することができるかもしれません。

例えば当時は50~150人程度の集団で暮らし、常に移動していました。

住宅は簡素で生涯会う人数は200人程度でした。

全人口の半数は10歳を迎えずに亡くなり、当時の寿命は30歳足らずでした。

当時の一般的な死因は干ばつ、伝染病、出血多量、そして誰かに殺されることでした。

当たり前ですが今とは全く違う生活様式だったのです。

生き延びるためには注意散漫となり周囲の危険に備える必要がありました。

集団が小さく、コミュニケーションが重要で他の集団との争いで命を落とすこともありました。

食事は体を動かして食べ物を探さなければなりませんでした。

今ではウーバーイーツが届けてくれますが、、

ストレスシステムが作られた過程

ストレスシステムのHPA系(視床下部・下垂体・副腎系)は視床下部から始まり、下垂体へ信号を送り、そこから副腎へコルチゾールというホルモンを分泌すように命令します。

コルチゾールが分泌されると心臓の鼓動は速くなり、全身のエネルギーを使えるようにします。

素早く攻撃に出るか、逃げるか、つまり「闘争か逃走か」の反応がでます。

この反応は私たちにも残っていてストレスにさらされると心拍数は上昇します。

このシステムが存在するのはもちろん生存のためです。

皆さんも経験ありませんか?

ストレスがたまると吐き気がしたり、おなかの調子が悪くなったり、不眠になったりと。

ストレスは悪いことばかりではありません。

思考能力にも影響を与え、精神を研ぎ澄ましてくれます。

ただし、度が過ぎると頭も働かなくなります。

ストレスにさらされていると長期記憶が低下することが分かっています。

つまり、ストレス反応は「今生き延びること」を最優先として他の事は後回しにしてしまいます。

生き延びるために作られたシステムが現代においては生きづらくなるように作用しているのです。



適度なストレスにさらされよう

「ストレス」という言葉はネガティブに捉えられがちですが、短期的なストレスは集中したり、思考力を高めたりすることができます。

仕事で一日や一週間くらい大変な日があるのは問題ないと本書では主張しています。

HPA系のスイッチを切った実験動物を観察すると無気力になり、食べることをやめてしまう動物もいたようです。

燃え尽き症候群の人は長期的なストレスにさらされた結果、HPA系が上手く作動しなくなったためと考えられています。

皆さんがストレスを感じる場面はどんな場面でしょうか?

私は人前で話すことはあまり得意ではありません。

人前で話すことは多くの人がストレスを感じる場面ではないでしょうか。

なぜ他人の目が自分に向くと居心地が悪くなるのでしょうか。

考えられるのは、人間の進化の過程で「共同体から追い出されないこと」が何よりも重要でした。

そのため周囲の評価が気になるのは、遺伝子にそうするよう組み込まれていることなので仕方ないのです。

これも現代社会に脳が適応していない一例です。

グループに帰属するのは安心感だけでなく、生存が掛かっていたからです。

独りになったら生き延びることはできなかったのです。

不安は人間特有のもの

動物のHPA系はストレスや脅威に対応するときに役割を果たします。

わたしたち人間の場合は動物少し違うHPA系の使い方があります。

「もし、試験に落ちたら」「もしも妻に捨てられたら」「もしも仕事のプレゼン準備が間に合わなかったら」など

こうした過程のシナリオでもHPA系が作動するようになっています。

未来を予測する能力は、わたしたち人間の持つ一番重要な特性かもしれません。

おかげで要らぬ心配をする羽目になっています。

不安はストレスシステムを事前に作動させた結果であり、知性を得た代償です。

現実の脅威と想像上の脅威を脳は見分けることができないのです。

これも現代に脳が適応できていない一例です。

不安を抱えた人のストレスシステムは、常にスイッチが入った状態です。

その結果、精神的、身体的に落ち着きが無くなり、おなかの不調、吐き気がしたり、口が乾いたりします。

以前、columnで最高の脳で働く方法で紹介しましたが、私たちの脳は未来を予測する回路はほとんど持ち合わせていません。

不安などの情動に対処する方法はラベリングと認知的再評価でしたね!

そちらももう一度チェックしてもらえると脳に対して理解が深まると思いますので是非読んでみてください!!

うつの役割

うつになるかどうかは遺伝子が影響する部分もあります。

それも何百もの異なった遺伝子が少しずつ関わっています。

関連遺伝子を調べていくとうつのリスクを高める遺伝子には免疫を活性化するものがあることがわかりました。

うつと免疫には予想外の遺伝的な繋がりがありました。

脳にとって、うつは感染症から身を守るための手段なのかもしれないと研究者たちは考え始めています。

ストレスがかかったり、危険を感じるとうつ状態になり、ふさぎ込むことで自宅から出ないようにして危険を回避しようとします。

そういう可能性も十分にあるということです。

今後の研究が楽しみですね!

さて、ここまでは人間の基本的な機能とそれが現代社会に適応していないということを見てきました。

ここからはこれまでの話をベースにオンライン社会が私たちにどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。

スマホはドラッグ

目につくところになくても、スマホがどこにあるかは把握していますよね。

朝起きてまず、スマホを確認して、一日の最後にスマホを確認する。

私たちは一日に2600回以上スマホを触り、平均して10分に一回スマホを手に取っていると言われています。

また、3人に1人は夜中に起きてスマホをチェックすると言われています。

世界の4割は自分のスマホが一日無くなるより、声が出なくなる方がマシだと本気で思っているらしい。。

どうして世界はここまでスマホ依存に陥ってしまったのでしょうか?

それを理解するためには脳を理解する必要があります。

キーワードはドーパミンです。

ドーパミンはよく報酬物質と呼ばれていますが、それだけではなく重要な役割があり、何に集中するか選択させることです。

お腹がすいている時にはテーブルに食べ物が出てきたら、それを見ているだけでドーパミンの量が増えます。

つまり食べている最中にドーパミンは出ないのです。

食べる選択をさせるために、ドーパミンは分泌されます。

満足感を与えるのはエンドルフィンが大きな役割を果たしています。

ストレスシステムと同様に、脳内の報酬システムは何万年もかけて発達してきました。

報酬システムではドーパミンが重要な役割を果たし、生き延びるために人間を突き動かしてきました。

人間のように群れで暮らす動物にとっては他人との付き合い、セックスによってドーパミンが増えるのは不思議な事ではありません。

スマホもドーパミン量を増やします。

これがチャットの通知が届くとスマホを見たいという衝動にかられる理由です。

スマホは、報酬システムの基礎的なメカニズムの数々をダイレクトにハッキングしています。

そこを詳しく見ていきましょう。



脳は新しいもの好き

周囲の環境を理解するほど、生き延びる可能性が高まります。

その結果自然は人間に、新しい情報を探そうという本能を与えました。

その本能を突き動かすのがドーパミンです。

新しいことを学ぶと脳はドーパミンを放出します。

ドーパミンのおかげで人間はもっと詳しく学びたいと思うのです。

しかし単に新しい情報が欲しいわけではなく、新しい環境や出来事を欲しがります。

新しいことだけに反応してドーパミンを産生する細胞があり、これは現代においても残っています。

脳は昔のままですが、現代ではスマホやパソコンが運んでくる新しい知識や情報の欲求としてこれが作用します。

パソコンやスマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出し、私たちはクリックが大好きになります。

私たちは今読んでいるページより次のページに夢中になっているのです。

インターネットのページの5分の1は4秒以下しか目に留まりません。

10分以上時間をかけるページはわずか4%です。

この情報に基づいてcolumnを書くならもう少し短く書かないといけませんね(笑)

しかしここまで読んでくださる皆さんは貴重な4%に含まれる人たちだと思います。

自分の集中力に誇りをもってくださいね!!(笑)

報酬中枢を煽るSNS

フェイスブックやインスタグラムは親ゆびマークやハートマークがつくのを保留することがあります。

そうして、私たちの報酬系が最高潮に煽られる瞬間を待っているのです。

このような企業の多くは行動科学や脳科学の専門家を雇っています。

そのアプリが脳の報酬系を直撃して最大限の依存性をは実現させるためです。

しかし、シリコンバレーは罪悪感でいっぱいになっています。

フェイスブックの良いね機能を作ったローゼンスタインも後悔したようにこう語っています。

「製品を開発するとき最善をつくすのは当然のこと。それが思ってもみないような悪影響を与える。」

彼だけでなくアップル社の幹部も同意見です。

現にIT企業のトップ達は子供にタブレット、スマホを持たせないようにしています。

ビル・ゲイツは子供が14歳になるまでスマホを持たせず、スティーブ・ジョブズは子供にタブレットの使用を厳しく制限していました。

もともとは生き残るための戦略だったはずの脳のメカニズムのせいで人間は次々にデジタルなご褒美に飛びついてしまいます。

本能なので仕方ないことなのですが、スマホに自分の人生を乗っ取られてしまわないようにする方法は無いのでしょうか?

長くなってしまったので今回はここまでとしましょう。

次回のテーマは集中力についてです。

デジタル機器に奪われた集中力を取り戻す方法も紹介したいと思います。

長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!

おまけ

前回は新型コロナ関連の本を紹介しました。

その中で私も3月末にワクチンを打つと話しました。

24日に1回目の接種が終わりました。

接種の瞬間は痛みを感じませんでしたが、少し力が入りずらかったです。

そして次の日が大変でした。。。

左肩に打ったのですが、肩が挙がらない。。。

そして痛い。。。しかもかなり痛かったです。

2日後には痛みも軽くなったのですが、翌日に強い痛みが出現することが多いようです。

私の場合はそれに加えて咽頭痛が生じて、倦怠感もあったのですが、専門家によるとそれは副反応ではないとのことです。

それでも信じられなかったので厚生労働省のホームページでワクチン接種と副反応について統計を公開しているのでそれを確認しました。

結果、呼吸器系の症状や咽頭痛はほとんど報告されておらず、全体の数パーセント程度でした。

つまり私の場合もただの風邪と考えられます(笑)

めちゃくちゃタイミングの悪いですね(笑)

私の働いている病院ではアナフィラキシーになる方もいませんでした。

脱力感と翌日に接種部の痛みが出現することが多かったみたいです。

皆さんの参考になればと思います。

2回目の接種が4月中旬にあるので接種したらまた報告しますね。



comment

タイトルとURLをコピーしました