わかりやすい 学校では教えてくれない歩行の話

noku
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お疲れ様です。今回は新人さんや学生さん向けに学校じゃ教えてくれない歩行の話しです。論文の紹介ではないので気軽に見ていただければと思います。

  1. 歩行の基本的な言葉
  2. 倒立振子モデル
  3. ロッカーファンクション
  4. 動歩行
  5. まとめ

歩行の基本的な言葉

イニシャルコンタクト IC衝撃吸収、その準備
ローディングレスポンスLR衝撃吸収、荷重を支えつつ安定性を保証 前方への動きの保持
ミッドスタンスMSt支持している足の前足部の上まで身体を運ぶこと、足と体幹の安定性の確保
ターミナルスタンスTSt支持側の直上を越えて身体を前に運ぶこと
プレスイングPSw遊脚期の準備体勢
イニシャルスイングISw床かから足が離れること 足を前に運ぶこと
ミッドスイングMSw足を引き続き前へ運ぶこと 足と床の十分なクリアランスの確保
ターミナルスイングTSw足を前に運ぶことの終了 ICの準備
•ランチョ・ロス・アミーゴ方式
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すっかりおなじみになったPerryさんのランチョ・ロス・アミーゴ方式は私が学生時代は習いませんでした(やったかもしれませんが重要ではなかった)。



倒立振子モデル

倒立振子のイメージ

読んで字のごとく振子を倒立させたモデルです。これは筋力なんていらない、所謂勢いを利用した力になります。

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後述する動歩行の重要な要因となります。

実験として杖を床に対して斜めに押し付けると反対の方向へ推進する力が生まれます。そのような物理的なエネルギーを利用して人は歩いており、内的なエネルギー(筋力)消費を少なくしていると考えられますね。



ロッカーファンクション

rokerとはロッキングチェアのことを指したり、ロッキングチェアの底面にある円弧状になった床に触れる部分のことを指したりします。

人は立脚期の回転軸を変化させて効率よく歩行しています。

ロッキングチェア

①ヒールロッカー:ICが踵から接地された場合に踵を軸として足部が地面に設置されます。筋力の要素(前脛骨筋の遠心性収縮)もありますが踵の形、つまり丸さによって下腿が前方へ引きだされます。

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ICが踵で接地できない時点で前方への推進力が生まれにくいことが想定できますね。

ちなみに踵の外側から接地するので足部は回内方向へ誘導され柔らかい足になります。これは衝撃の緩衝能力として非常に重要になります。

②アンクルロッカー:ここでは床反力は股関節の後方を通るため伸展方向へ、足関節は前方へ移動するため背屈方向へ向かいます。この時それぞれの動きに反作用する筋が伸張されます。

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このフェーズで床反力が股関節の後方を通るようにならなければ、このような力が生み出せませず”頑張った歩行”になってしまいます。

この前のフェーズのICでしっかり股関節が伸展方向へ行かなければいけないことがわかります。

ここで足部は反対のSwによって回外方向へ誘導され、硬い足となって次のフェーズに有利な足部になります。

③フォアフットロッカー:先ほど延ばされた筋の弾性力が関係して行われる。足部の巻き上げ機構もこの時に強くなり蹴りだし→スイングにつながる。

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蹴りだしも筋力以外の要素がたくさん関係していることがわかりますでしょうか、特に筋の弾性力などが重要になると考えられます。ここまででしっかり筋がストレッチされていなければ、弾性力よりも筋出力に頼らざるを得なくなり、疲れやすい歩き方になると予想できます。



動歩行

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動歩行という言葉を知っていますか?

以前のコラムでちらっと触れているのでそちらも参考にしていただけると嬉しいです。

動歩行とは重心が支持基底面に収まらない歩行です。

動歩行を成り立たせるのは慣性力です。

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慣性力を体験することとしては電車ですね。

停止から出発するとき(加速度発生)に電車が動くと乗っている人はそこにとどまろうとする力(慣性力)で反対方向に倒れるような力が働きます。

そのあとは電車が一定速度で動いていれば何も感じません(加速度未発生)。

そして電車が止まるとき(マイナスの加速度)に乗っている人はそのまま進もうとする力(慣性力)で進行方向側に倒れます。

臨床場面でもこういった力はあふれていますので視点を変えて観察すると面白いかもしれません。

前額面で考えてみます。

MStで重心が一番高い位置に来るので、位置エネルギーが頂点に達します。

そこから反対側へ重心が落下するように位置エネルギーを運動エネルギーへ変化させます。

そして反対のICが起こることによって運動エネルギーを与えられていた重心にブレーキがかかります(=マイナスの加速度)。

このブレーキをかけるところで重心に慣性力が働きます。

これにより支持基底面に重心が無くてもXCOMやZMPといった重心を制御できるポイントが支持基底面に出現し、転倒せずに歩けるということになります。

人間の歩行というのはとてもうまくできています。

ちなみに動歩行がうまくできなくなっている方は静歩行という歩行になってしまいます。

これは重心が支持基底面にとどまる状態が作られてしまう歩行です。

よくあるのが片麻痺の方が非麻痺側に重心をとどめて、麻痺側のSwを背側系有意に行う歩行です。

つまり片麻痺の方のほうが使用しているエネルギー(筋力)が高くなっていることがわかります。

こんなに非効率的なことはありません。

しっかりリズムよく、動歩行感覚を入れることがオートマチックなシステムの誘発につながる可能性があることが考えられますね。

まとめ

今回は私が学生さんを指導するときによく話す内容を書かせていただきました。

学生時代は「人は筋力で動いている」みたいな固定概念をもってしまうことが多いとおもいますが、こういった物理的な力の存在を知れることは重要ではないかと思います。

参考にしている書籍は下に貼っておきますのでご興味ある方はぜひ一度ご覧になってください。

私も読むたびに発見があり、まだまだ著者の思っていることを拾い切れていないのが現実ですが、繰り返し読むことによって臨床に活かしていきたいと思っております。

本日も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。



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